水戸市手話言語その他の障害の特性に応じた意思疎通手段の利用の促進に関する条例について(水戸市)
本市では,市議会において,2014(平成26)年9月に「手話言語法(仮称)制定を求める意見書」が採択されるなど,障害者の意思疎通手段に関する意識が高まっています。本市が障害者施策において目指す姿として掲げる「障害者が笑顔で安心して暮らせるまち・水戸」の実現に向け,各種障害者施策を総合的に推進するためには,多様な意思疎通手段への理解や環境の整備を促進することが必要です。
これらのことから,障害の特性に応じた意思疎通手段の利用を促進することにより,障害の有無にかかわらず,一人一人がお互いに理解し,尊重し合うことができる共生社会を実現することを目的として,「水戸市手話言語その他の意思疎通手段の利用の促進に関する条例」を制定しました。
制定内容
1 基本理念
意思疎通手段の利用の促進は,意思疎通が障害の有無にかかわらず,人格と個性を互いに尊重して行われるものであることを基本として行われなければならないものとします。
障害の特性に応じて意思疎通を円滑に図る権利は,最大限尊重されなければならないものとします。
2 責務(市,市民,事業者)
市は,基本理念にのっとり,障害の特性に応じた意思疎通手段の利用の促進に関する施策を総合的かつ計画的に実施するものとします。また,施策の立案及び実施に当たっては,障害者その他の関係者の意見を聴き,その意見を尊重するものとします。
市民は,基本理念に対する理解を深め,障害の特性に応じた意思疎通手段の利用の促進に寄与するよう努めなければならないものとします。
事業者は,障害の特性に応じた意思疎通手段の利用を促進するため,関連する市の施策に協力するよう努めるとともに,障害者が意思疎通手段を利用するための必要かつ合理的な配慮を行うよう努めなければならないものとします。
3 障害の特性に応じた意思疎通手段に対する理解の普及
市は,障害の特性に応じた意思疎通手段に対する理解の普及のため,障害者,意思疎通支援者及び関係機関と協力して,障害の特性に応じた意思疎通手段を学ぶ機会の提供その他の必要な措置を講ずるものとします。
4 障害の特性に応じた意思疎通手段の利用の促進に係る環境の整備
市は,障害の特性に応じた意思疎通手段の利用の促進に係る環境を整備するため,意思疎通支援者の派遣及び配置その他の必要な措置を講ずるものとします。
5 手話の普及等について
市は,手話がろう者が日常生活及び社会生活の中で大切に受け継いできた独自の言語であるという認識の下に,茨城県手話言語の普及の促進に関する条例(平成30年茨城県条例第51号)第5条の規定に基づき,茨城県と連携し,手話の普及等に関する施策を行うものとします。
6 情報の発信等
市は,障害者が市政に関する情報を円滑に取得することができるよう,障害の特性に応じた意思疎通手段を利用して情報を発信するものとします。また,災害その他非常の事態が発生した場合に備え,関係機関と連携し,障害者が情報を取得するための必要な体制を整備するものとします。
7 意思疎通支援者の養成
市は,意思疎通支援者の確保のため,関係機関と連携し,意思疎通支援者を養成するものとします。
8 事業者等に対する支援
市は,障害の特性に応じた意思疎通手段の利用を促進する活動を行う事業者等に対し,必要な情報の提供その他の支援を行うものとします。
9 職員に対する研修
市は,職員に対し,障害の特性に応じた意思疎通手段の利用の促進に関する研修を行うものとします。
水戸市手話言語その他の障害の特性に応じた意思疎通手段の利用の促進に関する条例
障害者が利用する意思疎通手段には,ろう者が大切に受け継いできた言語である手話をはじめ,要約筆記,点字,音声,代筆,代読等多様な形態や手法がある。全ての障害者は,可能な限り,意思疎通手段についての選択の機会が確保されるとともに,情報の取得又は利用のための手段の選択の機会の拡大が図られるべきである。また,手話が言語であることへの理解など障害者が日常生活や社会生活を営む上で利用する意思疎通手段に対する理解をより深めていく必要がある。
そのため,障害の特性に応じた意思疎通手段に対する理解の普及,障害の特性に応じた意思疎通手段を利用できる環境の整備等を行い,障害の特性に応じた意思疎通手段の利用を促進することにより,障害の有無にかかわらず,全ての人の意思疎通が円滑に行われ,相互に人格と個性を尊重し合いながら共生できる社会を実現するため,この条例を制定する。
(目的)
第1条 この条例は,障害の特性に応じた意思疎通手段の利用の促進についての基本理念を定めるとともに,市,市民及び事業者の責務並びに市が総合的かつ計画的に実施すべき施策について定めることにより,障害の有無にかかわらず,全ての人の意思疎通が円滑に行われ,相互に人格と個性を尊重し合いながら共生できる社会を実現することを目的とする。
(定義)
第2条 この条例において,次の各号に掲げる用語の意義は,それぞれ当該各号に定めるところによる。
(1) 意思疎通手段 言語(手話を含む。),文字表記,点字,音声,平易な言葉その他の日常生活又は社会生活を営む上で必要とされる意思の伝達手段をいう。
(2) 意思疎通支援者 手話通訳者,要約筆記者,点訳者,音訳者その他の障害者の意思疎通の支援を行う者をいう。
(3) ろう者 手話を使い日常生活又は社会生活を営む聴覚障害者をいう。
(基本理念)
第3条 意思疎通手段の利用の促進は,意思疎通が障害の有無にかかわらず,人格と個性を互いに尊重して行われるものであることを基本として行われなければならない。
2 障害の特性に応じて意思疎通を円滑に図る権利は,最大限尊重されなければならない。
(市の責務)
第4条 市は,前条の基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり,障害の特性に応じた意思疎通手段の利用の促進に関する施策を総合的かつ計画的に実施するものとする。
2 市は,前項の施策の立案及び実施に当たっては,障害者その他の関係者の意見を聴き,その意見を尊重するものとする。
(市民の責務)
第5条 市民は,基本理念に対する理解を深め,障害の特性に応じた意思疎通手段の利用の促進に寄与するよう努めなければならない。
(事業者の責務)
第6条 事業者は,障害の特性に応じた意思疎通手段の利用を促進するため,関連する市の施策に協力するよう努めるとともに,障害者が意思疎通手段を利用するための必要かつ合理的な配慮を行うよう努めなければならない。
(障害の特性に応じた意思疎通手段に対する理解の普及)
第7条 市は,障害の特性に応じた意思疎通手段に対する理解の普及のため,障害者,意思疎通支援者及び関係機関と協力して,障害の特性に応じた意思疎通手段を学ぶ機会の提供その他の必要な措置を講ずるものとする。
(障害の特性に応じた意思疎通手段の利用の促進に係る環境の整備)
第8条 市は,障害の特性に応じた意思疎通手段の利用の促進に係る環境を整備するため,意思疎通支援者の派遣及び配置その他の必要な措置を講ずるものとする。
(手話の普及等に関する施策)
第9条 市は,手話がろう者が日常生活及び社会生活の中で大切に受け継いできた独自の言語であるという認識の下に,茨城県手話言語の普及の促進に関する条例(平成30年茨城県条例第51号)第5条の規定に基づき,茨城県と連携し,手話の普及等に関する施策を行うものとする。
(情報の発信等)
第10条 市は,障害者が市政に関する情報を円滑に取得することができるよう,障害の特性に応じた意思疎通手段を利用して情報を発信するものとする。
2 市は,災害その他非常の事態が発生した場合に備え,関係機関と連携し,障害者が情報を取得するための必要な体制を整備するものとする。
(意思疎通支援者の養成)
第11条 市は,意思疎通支援者の確保のため,関係機関と連携し,意思疎通支援者を養成するものとする。
(事業者等に対する支援)
第12条 市は,障害の特性に応じた意思疎通手段の利用を促進する活動を行う事業者等に対し,必要な情報の提供その他の支援を行うものとする。
(職員に対する研修)
第13条 市は,職員に対し,障害の特性に応じた意思疎通手段の利用の促進に関する研修を行うものとする。
(財政上の措置)
第14条 市は,障害の特性に応じた意思疎通手段の利用の促進に関する施策を推進するため,必要な財政上の措置を講ずるものとする。
付 則
この条例は,平成31年4月1日から施行する。