2021年12月17日、福岡県豊前市(ぶぜんし)議会は、「手話は言語」であるとの認識に基づき、手話に対する理解の促進、手話の普及などにより障がいのある人とない人が共生する地域社会を実現するための「豊前市手話言語条例」案を可決、市は、同日公布・施行した。
北九州地方の南東側、福岡県東部に位置する行橋市、豊前市、京都郡、築上郡の2市5町が属する地域である京築(けいちく)初の「手話言語条例」であり、京築聴覚障害者や豊前市手話の会と市の福祉課が2年にわたり検討された努力の賜物でもある。
市は、29121年8月5日(木)から9月6日(月)までパブリックコメントを行ったが、意見の提出はなかった。
同種の条例は、福岡県内では直方市、朝倉市、川崎町、添田町、福智町、大任町、赤村、香春町、田川市、糸田町、飯塚市に次いで12例目、全国では、431例目。
「豊前市手話言語条例」は、健聴者が言葉を使うように、ろう者が手話を使ってコミュニケーションをとることを知り、手話への理解(手話に触れる、手話を学ぶ、手話を使用する)を広げ、ろう者とのコミュニケーションを円滑に図り、ろう者とろう者以外の者が共生する地域社会を実現することを目的としている。
なお手話は、手指の動きとともに、表情やしぐさなどを使い、気持ちや伝えたいことを表現する「目で見る言葉」、つまり、ろう者が使う言葉であるが、ろう者同士がだけが使うものだけではなく、ろう者とろう者以外の人がコミュニケーションをとる時にも使われる。
条例制定による市の取り組みは以下の通り。
■手話通訳者設置事業‥豊前市役所福祉課内に手話通訳者を設置し、来庁した手話通訳を必要とする人のコミュニケーション支援(月曜日、火曜日、木曜日 9時〜15時)。
■手話通訳者等派遣事業‥ろう者からの申請により、手話による意思疎通のために手話通訳者を派遣。
■遠隔手話通訳サービス事業‥スマホやタブレットにて専用アプリ「LINE」のビデオ通話機能を使用し、手話通訳者が遠隔(リモート)で手話通訳を行うサービス。
■NET119‥聴覚や言語機能の障がいにより、音声での会話が困難な人がスマートフォンなどでインターネットを利用し、119番通報ができるサービス。
■手話奉仕員養成講座‥手話で日常会話を行うために必要な手話や手話表現技術を学ぶための講座。入門過程と基礎課程を1年ごとに実施。
豊前市は、福岡県の東南端に位置し、南に修験道の遺跡で知られる求菩提山、天然記念物「ツクシシャクナゲの自生地」のある犬ヶ岳をひかえ、ここに源を発する岩岳川を中心に豊前平野が扇状に開け、北は波静かな周防灘に面しています。
1889(明治22)年4月市町村制施行により築城郡角田村、上毛郡内に八屋町ほか8町村が設置されました。そして1896(明治29)年には、築城、上毛両郡が合併し築上郡となり、昭和30年4月には、八屋町、角田村、山田村、三毛門村、黒土村、千束村、横武村、合河村、岩屋村の9ヶ町村が合併して今日の豊前市の形がつくられた。市発足当初は、宇島市だったが、同年4月14日には豊前市と名称を変更し今日に至っている。
主要交通網としては、東九州自動車道、国道10号線およびJR日豊線によって構成される東九州ルートが通り、北九州とは北西45km、大分県中津市とは南東7kmの位置関係にあり、京築地域南部の中心都市として位置しており、経済的には北九州市と、市民生活や文化面では中津市と深い関係にある。
気候は、瀬戸内海型気候区に属しているがその最も西端に位置するために、日本海側気候との中間的な性格を持っている。年平均気温は15〜16℃、冬季でも5℃程度で日本海型気候と同じですが、年間降水量は1,600mm程度で最も少ない地域に属している。
人口は、24,4891(男性;11,663/女性;11,547)人。12,942世帯(2021年12月末現在)。
河津桜(かわづざくら)とは、河津桜は、大島桜と寒緋桜の自然交配種と推定される品種で、静岡県加茂郡河津町で原木が発見されたことから「河津桜」と命名された。
早春に開花する早咲き種で、ソメイヨシノよりも花の色が濃く、花期も長いのが特徴である。
静豊園(せいほうえん)は、園主の故郷、静岡県の「静」と豊前市の「豊」から名付けられ、「静かで実り豊かな自然農園」という意味も持ち、園主が観賞用として故郷伊豆から苗木を取り寄せて植えたことに始まり。野生動物や台風等の被害に遭いながらも、園主が大切に育て、毎年約300本が大輪の花を咲かせている。