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和歌山県伊都郡(いとぐん)九度山町(くどやまちょう)議会は、2021年12月17日、九度山町手話言語条例案を可決し、町は、同日公・布施行した。

 同種の条例は、県内では、和歌山県和歌山市橋本市日高川町紀ノ川市古座川町印南町みなべ町新宮市田辺市由良町美浜町岩出市串本町海南市かつらぎ町御坊市日高町有田市上富田町すさみ町白浜町北山村有田川町那智勝浦町に次いで26例目。全国では、427例目

人口: 3,996
男性: 1,842
女性: 2,154
世帯数: 1,770世帯
20211130日現在)

 直近の聴覚障害者は18名、日常的に手話を使用するろう者の数3名(2022年1月1日時点)。

 

九度山町は、三波川層さんばがそう)が東西に走り、それに御荷鉾層(みかぶそう)と秩父古生層(ちちぶこせいそう)が入り組んで不規則な地層分布となっている。

 

これらの地質は、保水があるため日照にも耐えられ、また、土が肥えているため根が十分に伸びるなど柿栽培に適している上、冬も暖かく、雨量は年平均1,500mmで温暖地果樹の栽培に適している。

 

このように豊かな自然の恵みを受けながら生産される富有柿は、品質が優れて味がよく、姿が整って美しく、日持ちがよいので、「日本一の富有柿」と評価を得ている。収穫時期の11月に霜が降りると、一段と紅色の皮質となり糖度も増していくといくおという。

 

 

なお、町内には高野山の開祖である空海(弘法大師)の母が暮らしていたという慈尊院(じそんいん)があり、空海は月に9度母に会いに来ていたことから九度山の地名が付いたと伝わる。

 

境内は、国の史跡「高野参詣道」を構成する「町石道」の一部として指定されており、本堂の弥勒堂(みろくどう)は、ユネスコの世界遺産『紀伊山地の霊場と参詣道』の一部に登録されている。

 

弥勒堂

 

 関ケ原の戦いで敗れた眞田昌幸・幸村父子は真田家の菩提寺である高野山蓮華定院に身を寄せたが、間もなく、妻子との生活を許され、その年の冬に庵を九度山に移した。昌幸53才、幸村33才の時のことである。

 

 昌幸は、九度山にやってきて11年、65才で病没。幸村は、秀吉の恩義に報いるため、14年暮らした九度山から大坂城へはせ参じたという。

 

 

 

 

九度山町手話言語条例

(目的)                                   
第1条 この条例は、手話が言語であるとの認識に基づき、手話を普及させ、かつ、地域 において手話が使用されやすい環境を整備するための町の責務並びに町民及び事業者の 役割を明らかにすることにより、ろう者(聴覚障害者のうち、手話を言語として日常生 活又は社会生活を営む者をいう。)とろう者以外の者が共生することのできる地域社会 の実現に資することを目的とする。 
                   
 (基本理念)                                 
第2条 手話の理解及び普及は、手話を必要とする人が手話により意思疎通を図る権利を 有しており、その権利を尊重することを基本理念(以下「基本理念」という。)として 行われなければならない。  
                         
 (町の責務)                                 
第3条 町は、基本理念にのっとり、手話の理解及び普及を図り、手話を必要とする人が 手話を使用しやすい環境を整備するため、必要な施策を推進するものとする。 

 (町民の役割)                                
第4条 町民は、基本理念に対する理解を深め、町が推進する施策に協力するように努めるものとする。 
                              
 (施策の推進)                                
第5条 町長は、次の各号に掲げる施策を総合的にかつ計画的に実施するものとする。 
 (1) 手話に対する理解及び手話の普及に関すること。               
 (2) 手話通訳者等の派遣等手話による意思疎通支援に関すること。         
 (3) 手話奉仕員の養成に関すること。     
                
 (委任)                                   
第6条 この条例の施行に関し、必要な事項は町長が別に定める。         
                                        
   附 則                                  
 この条例は、公布の日から施行する。

 

提案理由

 「手話言語法制定を求める意見書の提出を求める陳情書が、平成二十六年第三回定例会本会議で採択されたことを受け、手話を利用して生活を営む町内のろう者の関係者や手話に関心を持つ方々にご審議をいただき、この度、手話が言語であるとの認識に基づき、町の責務として、手話を普及し、地域において手話が使用されやすい環境を整備し、ろう者とろう者以外の者が共生することのできる地域社会の実現に資することを目的として、制定」。



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