嵐山町手話言語条例
埼玉県比企郡嵐山町(らんざんまち)議会は、2022年3月4日、手話は言語であるとの認識に基づき、ろう者と、ろう者以外の人が、手話によって心を通わせ、お互いを尊重し、共生できる地域社会の実現を目指す「嵐山町手話言語条例」案を可決し、同日公布した。施行は、4月1日。
同種の条例は、県内では、埼玉県、朝霞市、三芳町、富士見市、三郷市、桶川市、ふじみ野市、久喜市、熊谷市、川口市、蓮田市、秩父市、行田市、本庄市、小鹿野町、横瀬町、長瀞町、皆野町、上尾市、越谷市、伊奈町、川越市、八潮市、北本市、加須市、神川町、鴻巣市、毛呂山町、東松山市、坂戸市、吉川市、美里町、戸田市、白岡市、入間市、深谷市、滑川町、蕨市、草加市に次いで40例目。全国では、436例目。
嵐山町は、埼玉県のほぼ中央に位置し、都心より60km圏にあります。比企丘陵の中枢部を占めており、山あり渓谷あり、平地ありと変化に富んだ自然の宝庫で、世界に誇る日本の代表的な、格調高い華麗な蝶として国蝶にしてされているオオムラサキが生息する地としても有名。オオムラサキは、羽を広げると10センチ以上になる大型のタテハ蝶で、雄は羽の表側が美しい紫色に輝き、雌ではこの紫色の輝きがない。
国蝶オオムラサキ
町名発祥の地でもある埼玉県を代表する景勝地のひとつ『武蔵嵐山渓谷(むさしらんざんけいこく)』は、岩畳と槻川(つきかわ)の清流・周囲の木々が織り成すみごとな景観と豊かな自然環境をもっている。渓谷周辺樹林地は、1996(平成8)年にさいたま緑のトラスト保全第3号地(面積13.5ha)に指定され、翌年には保全のための公有地化が完了。町と町民が一体となり当地の自然の保全・活用を進めている。
嵐山渓谷
歴史的には、『平家物語』においては朝日将軍と呼ばれている木曽(源)義仲(源頼朝・義経兄弟とはいとこ(従兄弟))や鎌倉幕府の有力御家人だった畠山重忠(はたけやましげただ)など、平安末期から鎌倉時代にかけて日本史に名をとどめた坂東武者(ばんどうむしゃ=勇猛で知られた関東生まれの武士(関東武者)ゆかりの地でもある。
人口は、17,595(男;8,775/女;8,820)、8,166世帯(2022年3月1日現在)。
町の身体障害者の状況は以下のとおり。
嵐山町手話言語条例
条例第 1 号
令和4年3月4日
(目的)
第1条 この条例は、手話が言語であるとの認識に基づき、手話に対する理解の促進及び手話の普及に関する基本理念を定め、町の責務並びに町民及び町内で事業又は活動を行う者(以下「事業者等」という。)の役割を明確にするとともに、総合的かつ計画的に施策を推進し、もってろう者とろう者以外の者が互いに理解し合い、共生することができる地域社会を実現することを目的とする。
(基本理念)
第2条 手話に対する理解の促進及び手話の普及は、手話が言語であるとの認識に基づき、ろう者とろう者以外の者が手話により意思疎通を円滑に図ることができるよう、全ての人が互いに人格と個性を尊重し合うことを基本理念として行わなければならない。
(町の責務)
第3条 町は、前条の基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、手話に対する理解の促進及び手話の普及を図り、手話を必要とする人が手話を使いやすい環境を整備するため、必要な施策を推進するものとする。
(町民の役割)
第4条 町民は、基本理念への理解を深め、町が推進する施策に協力するように努めるものとする。
(事業者等の役割)
第5条 事業者等は、基本理念に対する理解を深め、手話を必要とする人が手話を使いやすい環境づくりに努めるとともに、町の施策に協力するよう努めるものとする。
(委任)
第6条 この条例に定めるもののほか、必要な事項は、町長が別に定める。
附 則
この条例は、令和4年4月1日から施行する。