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奈良県葛城(かつらぎ)市議会は、2022年12月20日、「手話は言語であるとの認識に基づき、手話への理解を深め、誰もが互いに尊重し、支え合い、安心して暮らすことができる社会の実現を目指す、葛城市手話言語条例案を可決した。施行は2023年4月1日。
同種の条例は、県内では、奈良県、大和郡山市、天理市、桜井市、橿原市、五條市、大和高田市、広陵町、奈良市、御所市、香芝市、生駒市、宇陀市、斑鳩町、王寺町、河合町、三郷町、平群町についで18例目。全国では463例目。
市は、2022年8月1日(月曜日)から8月25日(木曜日)まで条例案についてパブリックコメント(意見募集)を行ったが、意見の表明はなかった。
葛城市手話言語条例と解説
手話は、音声言語と異なり、手指や体の動き、表情を使って視覚的に表現する言語であり、ろう者にとっては大切な言語です。
ろう者は、情報を取得し、他者と意思疎通を図るために、そして、知識を蓄え、文化を創造するために欠かすことのできないかけがえのない言語として手話を大切に育んできました。
また「障害者の権利に関する条約」や「障害者基本法」において、手話は言語として位置付けられていることからも、地域社会における手話への理解及び手話を使用しやすい環境の整備をより一層進めていくことが求められています。
手話は言語であるとの認識に基づき、手話への理解を深め、誰もが互いに尊重し、支え合い、安心して暮らすことができる社会の実現を目指し、この条例を制定します。
前文では、手話は音声言語と同様にひとつの言語であることを示すとともに、本条例制定の意義について説明しています。手話への理解を深め、手話を使用しやすい環境を整えることにより、全ての市民が安心して暮らせる社会の実現を目指す思いが込められています。
(目的)
第1条 この条例は、手話が言語であるという認識に基づき、手話に関する基本理念を定め、市の責務並びに市民及び事業者の役割を明らかにすることにより、手話への理解及び手話の普及を図り、手話を必要とする市民が自立した生活を営み、社会参加をし、全ての市民が共生できる地域社会の実現に寄与することを目的とする。
本条は、本条例の目的について定めています。手話に関する基本理念を定め、市の責務並びに市民及び事業者の役割を明らかにすることにより、互いに協力し合い、全ての市民が共生できる地域社会を実現することを、本条例の目的としています。
(定義)
第2条 この条例において、「ろう者」とは、聴覚に障害があり、手話を言語として日常生活又は社会生活を営む者をいう。
本条は、「ろう者」の定義について定めています。本条例における「ろう者」とは、聴覚に障害があり、手話を言語として生活を営む全ての方を意味します。
(基本理念)
第3条 手話への理解の促進及び手話の普及は、ろう者が手話により円滑に意思疎通を図る権利を有し、その権利を尊重することを基本として行わなければならない。
本条は、手話に関する基本理念について定めています。ろう者が手話により円滑に意思疎通を図る権利を尊重し、手話は言語であるとの認識に基づき、全ての市民がともに共生できる地域社会の実現を目指します。
(市の責務)
第4条 市は、前条の基本理念にのっとり、市民の手話に対する理解の促進及び手話の普及を図り、日常生活及び社会生活において手話を使用しやすい環境を整備するための施策を推進するものとする。
本条は、市の責務について定めています。市は、基本理念に基づき、市民の手話に対する理解の促進や手話の普及を図るとともに、手話を使用しやすい環境の整備に必要な施策を推進することを明らかにしています。
(市民の役割)
第5条 市民は、地域社会で共に暮らす一員として手話への理解を深め、市が推進する施策に協力するよう努めるものとする。
(事業者の役割)
第6条 事業者は、第3条の基本理念に対する理解を深め、市が推進する施策に協力するよう努めるとともに、ろう者が利用しやすいサービスを提供し、働きやすい環境を整備するよう努めるものとする。
本条は、市民及び事業者の役割について定めています。全ての市民が共生できる地域社会の実現には、市民及び事業者が基本理念を理解し、互いに協力することが必要です。
(施策の推進)
第7条 市は、次に掲げる施策を総合的かつ計画的に推進するものとする。
(1)手話への理解及び普及に関すること。
(2)手話による情報取得に関すること。
(3)手話による意思疎通支援に関すること。
(4)前3号に掲げるもののほか、市長が必要と認めること。
2 市は、前項の規定による施策の推進に当たっては、ろう者その他の関係者と協議の場を設けるものとする。
本条は、手話に関する施策について定めています。施策については、本条に掲げるもののほか、必要に応じて関係者と協議を行い、施策への反映を検討することを定めるものです。
(災害時の対応)
第8条 市は、災害時において、ろう者に対し、情報の取得及び意思疎通の支援に必要な措置を講ずるよう努めるものとする。
本条は、災害時の対応について定めています。災害時の避難所等において、文字による情報の掲示や、手話通訳者や要約筆記者の配置に努め、情報が行き渡るように配慮することを規定するものです。
(財政上の措置)
第9条 市は、手話に関する施策を推進するため、必要な財政上の措置を講ずるよう努めるものとする。
本条は、手話に関する施策の推進に必要な財政上の措置について定めています。施策による効果と財政状況を勘案した上で、予算措置を講ずるよう努めることを定めるものです。
(委任)
第10条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、市長が別に定める。
本条は、条例に定めるもののほか、条例の施行に必要な事項については、市長が別に定めることを規定するものです。
附則
この条例は、令和5年4月1日から施行する。
葛城市手話言語条例
手話は、音声言語と異なり、手指や体の動き、表情を使って視覚的に表現する言語であり、ろう者にとっては大切な言語です。
ろう者は、情報を取得し、他者と意思疎通を図るために、そして、知識を蓄え、文化を創造するために欠かすことのできないかけがえのない言語として手話を大切に育んできました。
また「障害者の権利に関する条約」や「障害者基本法」において、手話は言語として位置付けられていることからも、地域社会における手話への理解及び手話を使用しやすい環境の整備をより一層進めていくことが求められています。
手話は言語であるとの認識に基づき、手話への理解を深め、誰もが互いに尊重し、支え合い、安心して暮らすことができる社会の実現を目指し、この条例を制定します。
(目的)
第1条 この条例は、手話が言語であるという認識に基づき、手話に関する基本理念を定め、市の責務並びに市民及び事業者の役割を明らかにすることにより、手話への理解及び手話の普及を図り、手話を必要とする市民が自立した生活を営み、社会参加をし、全ての市民が共生できる地域社会の実現に寄与することを目的とする。
(定義)
第2条 この条例において、「ろう者」とは、聴覚に障害があり、手話を言語として日常生活又は社会生活を営む者をいう。
(基本理念)
第3条 手話への理解の促進及び手話の普及は、ろう者が手話により円滑に意思疎通を図る権利を有し、その権利を尊重することを基本として行わなければならない。
(市の責務)
第4条 市は、前条の基本理念にのっとり、市民の手話に対する理解の促進及び手話の普及を図り、日常生活及び社会生活において手話を使用しやすい環境を整備するための施策を推進するものとする。
(市民の役割)
第5条 市民は、地域社会で共に暮らす一員として手話への理解を深め、市が推進する施策に協力するよう努めるものとする。
(事業者の役割)
第6条 事業者は、第3条の基本理念に対する理解を深め、市が推進する施策に協力するよう努めるとともに、ろう者が利用しやすいサービスを提供し、働きやすい環境を整備するよう努めるものとする。
(施策の推進)
第7条 市は、次に掲げる施策を総合的かつ計画的に推進するものとする。
(1)手話への理解及び普及に関すること。
(2)手話による情報取得に関すること。
(3)手話による意思疎通支援に関すること。
(4)前3号に掲げるもののほか、市長が必要と認めること。
2 市は、前項の規定による施策の推進に当たっては、ろう者その他の関係者と協議の場を設けるものとする。
(災害時の対応)
第8条 市は、災害時において、ろう者に対し、情報の取得及び意思疎通の支援に必要な措置を講ずるよう努めるものとする。
(財政上の措置)
第9条 市は、手話に関する施策を推進するため、必要な財政上の措置を講ずるよう努めるものとする。
(委任)
第10条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、市長が別に定める。
附則
この条例は、令和5年4月1日から施行する。